この前、新聞で某大御所の1コマ漫画を見ていて、「さすが上手だなー」なんて感心してたら、脇で小学生の娘が「この絵、下手くそ」と言った。
うーん、これだ。「絵のうまさ」に関するこのギャップ。
その大御所の絵はペンというより面相筆で描いたような達者な絵で、自在な線の太さが描かれてるものの陰影と重なり、滲みやはみ出しが描き手の温もりを感じさせる「日本の墨絵」と「西洋のカトゥーン」をミックスさせたような絵だ。
一方で娘が上手だと思うのは、お決まりのデフォルメがなされた人形をトレースしたかのようないわゆる「アニメ、マンガ」的な絵だ。
うまく説明ができなくて申し訳ないけど、どうも絵の上手さは2種類あるような気がする。これをどう名付けて分けたらいいのだろう?
仮に前者をA後者をBとする。
Aを「劇画的」Bを「マンガ的」とでもいうか?うーん乱暴すぎるかな?
昔、喜国がA「線の端がはなれている絵」とB「線の端がくっついてる絵」を分けていたのもこれに近いのかもしれない。
そうだ!A「草書的」とB「楷書的」てのも案外的を得てないか?
A「書道的」B「フォント的」という言い方もそれぞれの絵柄の記号性の差をあらわしてていいかも。
あるいはえらそーにA「デュオニュソス的」とB「アポロ的」なんて分け方はどうだ?目指す美学はそんな違いかも?
もっと単純にA「アナログ的」とB「デジタル的」は?
あーよくわからない、
だいたいそんな分け方したらマンガ的だけど墨絵っぽい井上雄彦はどっちに入るだろう?
カリカリしてるけどあまりマンガっぽくない青木雄二の絵は?
そもそも二つに分けるのが乱暴か(笑)
ただきっと本当に上手な人はその両方を持ってるんだろうな。
で、「今」は後者のアニメ、マンガ的な傾向が優勢、そんな気がする。
何か「絵柄」ってもう少し分類整理されてもいいかもしれない。