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2021.02.08 12:00 PM 投稿:by スタッフ@さるハゲ
紙つぶて第三回「奇岩フェス」
もう十二年、仲間たちと巨大な新年会をやっている。
四十組を超える出演者が夜通し騒ぐ「さるハゲロックフェスティバル」だ。
知り合いをたどって出演者を探し、ジャンルもバラバラ、
最後の最後までタイムテーブルも決まらない混沌の祭典。


このイベント、自分にとっては「奇岩」なのだ。
福井県の東尋坊や中国の佳林みたいな、計画性がなく、なりゆきでできあがった変なカタチの岩。
ただ長い間風雨にさらされて偶然できあがった我が身に「ありゃーこんなんなっちゃいましたー」なんて戸惑う奇岩たちの声が聞こえてきそう。
もちろん計画通り作られた立派な作品も素晴らしい。高い技術と強い意志の結晶。
だけど……ああ、自分はなんかそこに作者の「ドヤ顔」を思い浮かべちゃうんだよなー。
「作ってやりましたよ、スゴイでしょ」みたいな。たいていのことは思い通りにいかないこの世界、思わぬ結果に漏れ出る「こんなんなっちゃいましたー…」。
自分はその人の力の及ばなさを受け入れるそっちに、愛しさというかリアリティーを感じるんだよね。 
なかなか思いどおりにいかないさるフェス、でもだからこそ今年もがんばろう!
って思える新年会…などと言うことをどこかに書いたら、スタッフから「しりあがりさんが好きな奇岩風に皆頑張って作ってるんですよ」とたしなめられた。すまん!

 中日新聞 夕刊 2020.1.27 掲載
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