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2021.02.22 12:00 PM 投稿:by スタッフ@さるハゲ
紙つぶて第五回「水と氷」
今年は霜柱見ないなー、暖冬のせいかな?
自分が起きた時には解けてるだけかな?
しかし水は不思議だね、ある気温から下がると氷になる。
何でも溶かしてくれてどんな形にもなる寛容で融通が利く液体が、
冷たく固まって異物をはじく塊になったりする。


そんな水を見てると、人間も社会も案外環境によって姿が変わるものかと思ったりする。
鷹揚だった人が、余裕がなくなると意固地でせこい人になったりする。
社会もゆるゆるだったのが、とげとげしくなったりする。
個人も集団も己が弱くなって、他の圧力から自らを守ろうとするときにその姿を液体から個体に変えるのかもしれない。 
トランプ米大統領の壁や大ヒットした「進撃の巨人」なんてのを見てると、まさに社会が凍りだしているのかもしれないと思う。
人々は侵される危険を感じると壁を作り中に閉じこもり、
さらに壁の内側では独自の規範をたて、それに従うことを要求し、異質なものは排除する。
だけど同質である安心を求め、閉じこもった壁が常に狭くなっていくような社会に未来はあるのだろうか? 
内と外を分ける豆まきが終わって次は「国」を祝う建国記念日だ。日本はどんな国になっていくのだろうね?
暖かい冬と裏腹に日本をとりまく環境は「寒い」。
今この国はボクには氷と水の入り混じった「氷水」のように見える。

中日新聞 夕刊 2020.2.10 掲載
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