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2021.03.29 12:00 PM 投稿:by スタッフ@さるハゲ
紙つぶて第十回「大きなパズル」
外出を控え、家でスマートフォンをいじってると九年前を思い出す。 原発事故の後、何がどうなってるのか心配で不安で、ツイッターで必死に手掛かりを探していた。 あの時はそんな中から何人かの信頼できそうな方たちに出会い、実際に福島でガイガーカウンターで放射線を計測するようなイベントに参加し、理解が進んで不安も減った。

そう、自分にとってこの世界の出来事は、無数のピースでできたジグソーパズルのようなもので、いろんな人のいろんな情報で組み立てられてゆく。
もちろんどのピースも完璧ではなくて、それぞれの凸凹を補いながら大きな完成図を想像するしかない。 
そんな時に大切なのがジグソーパズルの端っこのピースのように、それを見つけると全体が組み立てやすくなるような専門家の情報だ。

九年前、自分にとっては何人かの信頼できる物理学者の方たちの情報がとても重要なピースだった。 
そして今、あの時と同じように新型コロナウイルスのパズルの重要なピースをツイッターの中で探している。
まだまだ完成予想図には遠いけど、労を惜しまず発信してくれる医療関係の専門家の方たちの情報を頼りに、この疫病の行く先を、そこで自分は何をすべきかを探っている。専門家の皆さん、がんばってください!

そして願わくば、完成するパズルがまずまずのものでありますように。

中日新聞 夕刊 2020.3. 23 掲載
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