「KITA!!:Japanese Artist Meet Indonesia」展は、日本のアーティストたちとインドネシアの人々が実際に交流し、お互いを刺激し合いながら、表現や想像の喜び、楽しさを共有するためのアートイベントとして2008年4月、インドネシアで開かれた。
現代美術家、漫画家、映像作家、ミュージシャン、ファッションデザイナー、ダンスパフォーマー、フードプロデューサーといった様々な分野で表現活動を行う24組約50名のアーティストたちが日本から参加。淺井裕介、宇治野宗輝、大石暁規、小鷹拓郎、近藤聡乃、シアタープロダクツ、志賀理江子、しりあがり寿、SONTON、高木正勝、チャンチキトルネエド、Chim↑Pom、都築響一、トーチカ、生意気、南風食堂、西尾康之、西島大介、八谷和彦、パラモデル、松本力、珍しいキノコ舞踊団、淀川テクニック、YNG(奈良美智+graf)といった面々が参加。プロジェクトも、ジャカルタ・バンドゥン・ジョグジャカルタの3都市で同時多発的に実施された。連日ワークショップやトークショーも開催、両国の漫画家8名によるコミック冊子までも制作されるほど大規模なものであった。近年では、アート界では異文化間の垣根が低くなり、ハイブリッドで枠にとらわれない表現が多数現れてきている。KITA!!展はそれを象徴するような展覧会と言えるであろう。
しりあがり寿作品のメイン展示会場は、ジョグジャカルタにあるJogja National Museum。
ここは元美術大学で、このKITA!!展が美術館としてのオープニング企画。日本で普通に考えられるような美術館ではなく、大学の校舎そのままといった雰囲気で、空調や専門の照明機器も無い空間だ。日本での常識にとらわれて、既成概念に凝り固まってしまうと、制作過程の全てが窮屈になってしまうかもしれない。
作家側も受け入れるスタッフ側も、全ての経験が初めての事ばかり。制作の過程でのさまざまな場面が楽しくもあり困難であったかもしれない。しかし、現地スタッフとのコミュニケーションが、作品を完成へと導き、また真の国際交流の役割も果たしているのだ。